宮崎駿を筆頭に多くの日本アニメ・コミックが『ゲド戦記』の摘み食い、のようでいて実際は『ゲド戦記』の呪縛に屈服していた中、近いベクトルを持ちながら新たな意味づけと独自の映像表現にまで到達し得た作品がようやくでてきたか、てなかんじです。寓意性が強く解釈を受け手側に投げる形式には賛否あるようですが、それより注目すべきはむしろ全体の構成力にでしょう。13話の長さに相応しい主題の選択、舞台となる世界の構築と並行して進む作劇など新進の脚本とは思えないほどの熟達を感じさせますが、これは他の作品との制作プロセスの違いも影響しているのかもしれません。いずれにせよ好ましい印象の良作でした。宮島依里もでてるしな(馬鹿)。DVDはともかくサントラはマストバイ。大谷幸奇跡のアレンジ炸裂。